IPO投資は、株式投資家の間では以前から人気がありましたが、近年異常なまでに人気が高まってきています。
その理由としては以下のようなことが挙げられます。
①NISAの普及などによる投資ブームの到来
②株価の上昇
③近年上場する企業数が増加傾向にあること
④ネット証券の台頭で個人投資家にとって身近な存在になったこと
⑤損失の出る確率の低さ
⑥儲けの率の大きさ
今回は、僕が証券マン生活16年で身に着けた人気絶頂のIPO投資攻略法を、余すことなくお伝えしたいと思います。
これを見ればIPO投資で失敗することはもうなくなります。
そして大きな利益を上げることが可能になるでしょう。
とはいえ、
「IPO投資ってなに?」
って方もいらっしゃると思うので、まずは基礎の基礎からお話していきたいと思います。
目次
IPO投資とは?
まずはIPOについて説明します。
IPOとは『Initial Public Offering』の略で、日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」と表します。具体的には、限定された株主にのみ株式の所有を認めていた未上場会社の株式(未公開株)を、投資家に売り出して、証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようにすることを指します。
そして、IPO株投資とは、新規上場するときに投資家に配られる“株を買う権利”を抽選で手に入れ、上場日のはじめに付く株価(初値〔はつね〕)で株を売却することで利益を出すことを言います。
もっと簡単に言えば、「上場する前に株を手に入れて、上場日に売る」という作業、そしてたったこれだけで利益が出る投資法をIPO投資といいます。(得体のしれない“未公開株詐欺”とは違って、信用のある証券会社から公正な抽選によって手に入れます)
もう一度言いますが。IPO投資は「上場する前に株を手に入れて、上場日に売る」たったこれだけの投資法です。
なのに、2015年~2020年の間の『初値勝率』を見てみると、コロナ禍であった2020年を除くと平均勝率は90%近くになり、『平均上昇率』も100%に近いような数字を叩き出しているんです。上昇率100%ということは、「上場する前に株を手に入れて、上場日に売る」だけで価値が2倍になるということです。
さらに恐ろしいの、この2倍というのが平均であるということ。
なかには、3倍、4倍、5倍となるような銘柄もあります。
僕が知る限りで、初値上昇率が一番高い銘柄は、2018年に上場した証券コード:4382のHEROZ(ヒーローズ)という会社で、実に10.9倍になりました!
これを聞いたら、IPO投資を知らなかった方でもしてみたくなったのではないでしょうか?
ですが、世の中そう甘くはないんです。
IPO投資の注意点
一見メリットばかりに見えてしまうIPO投資ですが、実はそうではありません。
IPO投資にもいくつかの注意点があります。
ここからはその注意点をお話していきます。
①公募・売り出しの株数は有限
まず一つ目の注意点は、公募・売り出しの株数は有限であるということです。
公募と売り出しの違いは以下のとおりです。
【公募】新しく株式を発行し、買い手となる投資家を募ること
【売り出し】すでに発行済みの株式について、買い手となる投資家を募ること
いずれの場合も上場前に粗方株数は決まっています。
そのため、IPOを取り扱う証券会社の多くが抽選制を取り入れています。
その抽選がなかなか当選しないんです・・・
当選確率は1~2%程度とも言われています。
宝くじほどではありませんが、かなり低い確率です。
特に人気のある銘柄に関してはさらに当選確率が低くなることも考えられます。
②当選しても必ず儲かるわけではない
狭き門を通り抜けて当選できたとしても安心はできません。
なぜならば、初値勝率は90%ありますが、100%ではないですし、
当選しやすい銘柄 = 株数が多い or 人気のない銘柄
とも言えるからです。
株数が多ければ、当選確率は格段に上がります。
それに人気がない場合も、申込倍率が低くなるので当選確率は高くなります。
しかしこういう銘柄は、『儲かりにくい銘柄』なんです。
その理由は、許容と供給のバランスを考えれば簡単にわかります。
供給(株数)が少なければ、プレミア感から、値段は上がりやすくなりますが、
供給(株数)が多ければ、胃もたれ感から、値段は下がりやすくなります。
また、需要(人気)が高い場合も、プレミア感から、値段は上がりやすくなります。
しかし、需要(人気)が低い場合は、胃もたれ感から、値段は下がりやすくなります。
なので、当選しやすい銘柄は儲かりにくい銘柄なんだと覚えておいてください。
③取り扱いのある証券会社でしか申込できない
みなさんが儲かりそうなIPO銘柄を発見し、抽選に申込しようとしたとします。
その場合は、取引のある証券会社にそのIPO銘柄の取り扱いがあるかどうかを調べる必要があります。
なぜならば、IPOの抽選申込は『原則取り扱いのある証券会社でしか申込ができないから。』です。
下記の表をご覧ください。
内訳は銘柄によって変わってきますが、IPO時は必ずこのように主幹事証券と引受証券が決まります。
そして、この主幹事証券や引受証券に口座を持っている方しか原則抽選申込ができません。
『原則』とお伝えしたのは、主幹事証券や引受証券の子会社や関連会社ならば申込できることがあるためです。
また、ご覧いただければわかる通り、配分比率は主幹事証券が圧倒的に多くなっています。
そのため、当選確率を上げるには、主幹事証券の取引口座を開設しておくことが近道になります。
IPOの抽選に有利な証券会社
とはいえ、10も20も証券会社の口座を開設することは現実的ではありませんよね。
そこで、IPOの抽選に有利な僕のオススメの証券会社5社を1位から順番に紹介します。
①SBI証券
1番のオススメはSBI証券です。
この証券会社は、主幹事数、取り扱い銘柄数ともに国内トップクラスです。
落選すれば、次回以降の当選確率がアップしていくというシステムがあるため、頻繁に申込をすれば当選確率は格段にあがっていきます。
IPO投資を検討中の方には外せない証券会社となっています。
②SMBC日興証券(ダイレクトコース)
続いてが国内大手証券会社の一角、SMBC日興証券です。
こちらは主幹事数が非常に多く、取り扱い銘柄数も多めです。
ダイレクトコースというインターネット取り引き専用の口座となりますのでご注意ください。
③楽天証券
3番目は楽天証券です。
2022年の実績では主幹事案件はゼロとなっていますが、取り扱い銘柄数は5社の中ではSBI証券に次ぐ65社となっています。
④松井証券
4番目は松井証券です。
2022年実績で主幹事はゼロ、取り扱い銘柄数は54社と、他社と比べると見劣りはしますが、抽選申込時に事前入金が必要ないため、他社と併用するのは非常に便利です。
⑤マネックス証券
そして最後がマネックス証券です。
2022年実績で主幹事はゼロですが、取り扱い銘柄数は61社と、楽天に次ぐ3番目となっています。
まずIPO投資を始めてみるのならば大本命はSBI証券になります。
しかし、本格的に行いたい方にとってはそれだけでな不十分かもしれません。
その場合は、上記の表を参考に複数の証券会社で口座を作成されることをオススメいたします。
2023年IPO投資の成績
今年に入り、コロナが5類になるなど日本は落ち着きを取り戻しつつあります。
そんな今年(2023年)のIPO投資の成績はどうなっているのでしょうか?
2023年5月16日時点でIPOした銘柄の数は26銘柄となっています。
そのうち初値で、
値上がり:24銘柄
値上がり:1銘柄(▲9.57%)
変化なし:1銘柄
となっており、今年も初値勝率90%越えと絶好調を維持しています。
また銘柄ごとの上昇率ランキングでは、以下のような5銘柄がトップ5に名前を連ねています。
ご覧のように、初値上昇率ランキング5位のアイビスでも+190.55%(約2.9倍)の値上がりとなっており、1位のジェノバに限っては、なんと+348.09%(約4.5倍)と恐ろしいパフォーマンスを上げています。
ですがこんなすごいパフォーマンスも偶然ではないんです。
あるポイントさえ見分ければ、ハイパフォーマンスを達成する銘柄を見つけることはカンタンです。
続いてはその見分けるコツをお話いたします。
IPO銘柄を見分ける3つのポイント
ずばり!ハイパフォーマンスを達成する銘柄を見分けるポイントは、
①資金吸収額
②市場
③特徴
の3つだけです。
この3つのポイントだけ抑えれば誰でも見分けることが可能です。
そのポイントを1つ1つ説明していきます。
①資金吸収額
資金吸収額とは、IPOの際に企業が株式市場に新規に公開する公募株式と売出株式によって市場から得られる資金の総額のことです。
企業が新規に株券を発行する公募株式と既存の株主の株式を放出する売出株式を合わせた株式数と公開価格を掛け合わせて算出されます。
抽選に申込する時点では公開価格は決まっておらず、仮条件価格のみとなっているため以下のような計算式で導くことができます。
資金吸収額 = 仮条件価格 × 公開株数
ではなぜこの資金吸収額が重要かというと、『供給額がわかるから』です。
IPO投資の注意点でもお話したように、
供給(株数)が少なければ、プレミア感から、値段は上がりやすくなり、
供給(株数)が多ければ、胃もたれ感から、値段は下がりやすくなります。
なので、当選の確率はさがってしまいますが、資金吸収額の小さい銘柄を狙うことが重要になります。
以下に僕の考える資金吸収額別期待上昇率を載せておきます。
②市場
どこの市場に上場するか?それも非常に重要なポイントになります。
それは上場する市場によって、
・取引参加者
・上場する会社の規模
・成長性への期待度
が違ってくるからです。
なので、前述の資金吸収額別期待上昇率から、上場する市場によって『減点するしない』を決めています。
詳細は以下に載せています。
ご覧のように東証グロース市場と、東証プライム市場へ上場の場合は減点はありませんが、東証スタンダード市場への上場の場合は減点、その他の市場へ上場の場合は大幅減点を行っています。
個人的には、減点対象である東証スタンダード市場やその他の市場へ上場する銘柄に関しては、よほどのことがない限り、初値で売却することを前提とするならば投資対象から外しても良いのではないかと考えています。
③特徴
他にはない特徴を持っている銘柄はプレミア感から値上がりしやすいため加点することとしています。
その特徴には以下のようなものがあります。
【初物(第一号)】
既に上場している銘柄のうち、よく似たことをやっている銘柄や類似するような業種がなければこれに当たります。
そういう銘柄はプレミア感から大幅な上昇が期待できます。
今年上場した銘柄から言うと、『アイスペース』がそれに当たり、大きく値上がりしています。
また、『本年第1号』とか、『本年度第1号』、『IPO休止明け第1号』なんかもこれに当てはまり、『テクノロジー』は今年第1号の上場銘柄となっています。
【最終】
最終の銘柄も注目されることが多いです。
最終とは、『今年最終上場銘柄』や『今年度最終上場銘柄』のことです。
また、『IPOが長期のお休みに入る前の最終上場銘柄』もこちらに該当します。
フュージックは『今年度最終上場銘柄』でした。
人ってどうしても『最後の1個』には弱いものなんです。
【同一日上場なし】
どんなに良い会社でも同じ日に上場する会社が複数社あれば、資金が分散してしまい上昇率は限られてしまいます。
その点、同一日に上場する銘柄がなければ資金が分散されず上昇率が大きくなりやすいです。
『ジェノバ』は同一日上場の銘柄がありませんでした。
【有名企業が株主】
新しく上場するような銘柄は、一般的な投資家からすると馴染みがなく信頼性に欠ける部分が多々あります。
その点、誰でも知っているような大企業が株主や主要取引先に名前を連ねていると信頼性が増し、安心感につながります。
「トヨタが出資してるAI関連の会社です!」なんて言われたら、AIは良く分からなくてもなんか少し安心しますし、「トヨタが選んだ会社だから間違いない!」と思ってしまいますよね。
2023年5月16日時点の初値上昇率ランキングTOP5の銘柄を資金吸収額・市場・特徴の観点から分析したものが下の表になります。
以上のことから、資金吸収額10億円未満かつ東証グロース市場上場、特徴ありの銘柄は超有望銘柄であると言えます。
IPOについて補足
以上が有望なIPOを見つけるための3つのポイントになりますが、それ以外にも補足しておきたいことがいくつかありますのでご紹介していきます。
・初値で売却する場合は業績はほぼ気にする必要がない。
・初値形成後(セカンダリ)は初値上昇率が高い銘柄ほど下落した時の幅が大きくなる傾向にあるので要注意。*初値売りを推奨*
・1月、5月は毎年ほとんどIPOがない。
・初値形成後(セカンダリ)狙いならば、特徴があり東証スタンダート市場、東証プライム市場へ上場した銘柄を選ぶのが良い。
また、IPO投資に関するオススメのツールに『トレーダーズウェブ』とういものがあります。
こちらは、無料でも『IPOスケジュール』や、『IPOに関する詳細情報』が閲覧可能ですし、月額11,000円を払って会員になれば『初値予想』や『会員限定情報』も閲覧可能となります。
ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
今回はIPO投資の完全攻略法を惜しげもなく公開させてもらいました。
これからIPO投資を始めたいという方や、これをきっかけに本格的にやってみたいという方にとっては目から鱗の情報も多くあったのではないでしょうか?
ですが、注意点でも述べたように、
IPOは中々当選しませんし、当選しても必ず儲かるわけではありません。
オマケ程度に考えて投資をするのが良いのではないかと思っています。
一方でIPO投資には『初値形成後(セカンダリ)』を狙った投資手法もあり、個人的にはそちらの手法の方が価値が大きいと思っています。
また近いうちにセカンダリに関するブログもアップしたいと思っておりますので、是非チェックしてくださいね。
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